腎臓病の方のための知識コンテンツ

腎臓病食の基本について

1. 腎臓病の食事療法とは

健康な時の食事は炭水化物、たんぱく質、脂質をバランスよく食べることが良いとされています。
しかし、腎臓病食になると腎臓に負担を掛けないように工夫する必要があります。
腎臓病食のポイントは4つ
【たんぱく質制限】【塩分制限】【カリウム・リンの制限】【しっかりカロリーを摂る】です!
それではなぜこのような制限が必要なのかを詳しくご説明します!

たんぱく質を控えよう

今の自分の腎臓が処理できるたんぱく質の量に制限することがたいせつ!

腎臓には「老廃物をろ過する」役割があります。
そしてその老廃物のひとつに、たんぱく質を分解した時に作られる【尿素や窒素】があります。
そのため、たんぱく質を多く食べてしまうと、尿素や窒素が多く出来てしまうため腎臓に負担がかかってしまいます。
そのため、負担を減らすためにたんぱく質を控える必要があるのです。

塩分を控えよう

腎臓に負担をかけないことで、腎機能の悪化を防ぐことがたいせつ!

腎臓の役割として「水分の調整」があります。
体内では水分と塩分はくっついており、塩分が増えれば一緒に水分も増えていきます。
そうすると、腎臓は余分な水分を排泄するために働くため、さらに腎臓の負担が増え機能低下を早めてしまいます。
腎臓に負担をかけないためにも、塩分を減らしましょう!

カリウムやリンを控えよう

慢性腎臓病のステージが進行すると、カリウムやリンなどのミネラルの排泄も難しくなってきます。 カリウムが体に溜まってしまうと、手足がしびれてきたり、不整脈を起こしてしまう場合もあります。
また、リンも溜まってしまうと、骨がもろくなり骨粗しょう症の原因にもなりうるため、食事からはなるべく控えるようにしましょう。

カロリーはしっかり摂りましょう

慢性腎臓病(CKD)食事療法中の一日の適正エネルギーは1600kcalが目安

たんぱく制限を行うと、その分カロリーが減ってしまいます。そうすると、足りないカロリーを補うために、筋肉を分解します。
この時にも老廃物が体内で作られるため、腎臓に負担をかけてしまうのです。
腎臓に負担をかけないためにも、カロリー不足には要注意です!たんぱく質を減らした分、糖質や脂質などの他の栄養素でカロリーを補いましょう。

2. 食事制限のポイント

たんぱく質を制限するには…

まずは、体に合わせたたんぱく質量を確認し、食品だとどのくらいかを確認してみると良いでしょう。

たんぱく質10gを含む食品

塩分を控えるには

慢性腎臓病と診断された方は1日6g未満になるように制限します。今まで塩分を制限していなかった人はいきなり制限を始めずに徐々に塩分を減らし、減塩食の味に慣れていきましょう。
また、味を薄くすることも大切ですが、干物やハムなどの加工品、ちくわなどの練り物にも塩分が多く含まれているので注意しましょう。

塩分1gを含む食品

カリウム・リンを控えるには

カリウムはたんぱく質に多く含まれるほか、野菜や果物にも多く含まれています。
たんぱく質由来のものはたんぱく制限のため、あまり深く注意しなくてもいいかと思いますが、野菜や果物由来のものは要注意!
だからと言って、野菜や果物を控える必要はありません!なぜなら、カリウムは水に溶けやすく熱に弱いため、【茹でこぼす】ことで控えることが出来るのです。
「野菜は体に良いから、生でたくさん食べてるよ!」という方は、食べ方を見直してみて下さいね。

リンはレバーや乳製品など、たんぱく質に多く含まれているので、たんぱく制限をしっかり行えば自然に制限できます。
また、インスタント食品やスナック菓子には塩分も多いですが、リンも多いので控えるようにしましょう!

3. 体に合わせた制限を知ろう!

慢性腎臓病のステージによって制限の値が異なります。
ステージを選び、身長を入力して自分の体に合わせた制限を確認してみましょう!

自分の体に合わせた制限をチェック!

※ステージを選択してください。 ※身長を入力してください。 ※身長は半角数字で入力してください。
  • ステージ
  • 身長 cm
  • 1日の摂取制限

    • たんぱく質
    • エネルギー
    • 食塩
    • カリウム
  • 1食の摂取制限

    • たんぱく質
    • エネルギー
    • 食塩
    • カリウム

(出典:日本腎臓学会 CKD診療ガイドライン)

ウェルネスレシピでは、一番厳しい制限の方でも楽しんでいただけるように、下記の設定でレシピを作成しています。

エネルギー310kcal(主菜+副菜)=主菜、たんぱく質8g、カリウム400mg、塩分1.3g、副菜、たんぱく質2g、カリウム100mg、塩分0.3g