腎臓病の方のための知識コンテンツ

腎臓病とは?

腎臓の役割を知ろう

腎臓は背中側の腰の後ろあたりに左右に1つずつあり、そら豆のような形をしています。
また、1つ150gほどで、大きさは握りこぶし1つくらいです。
こんな小さい臓器ですが、腎臓にはとても大切な役割を持っています。

役割その1≪老廃物や水分のろ過≫

腎臓の最も大切な役割は体にたまった老廃物や水分を体の外に出し、血液をきれいにすることです。
この役割があることで、私たちは体に老廃物をため込まず、体内のイオンバランスなどを適正に保っているのです。
また、不要な老廃物や水分は尿として排泄されます。

役割その2≪電解質やイオンバランスの調節≫

体内の電解質(ナトリウム、カリウム、リンなど)の量を調節したり、血液が酸性になりすぎたり、アルカリ性になりすぎないように保つ役割があります。

役割その3≪ホルモンの産生≫

腎臓は、赤血球を産生するためのホルモンや、血圧を調節するためのホルモンを分泌しています。

腎臓病とは

腎臓病は大きく分けて、2つあります。
1つが急性腎障害で、数時間~数日間で急激に腎機能が低下する状態です。
この場合は原因を突き止め、適切な治療を行えば腎機能は回復見込みがあると言われています。
一方で、慢性腎臓病は3か月以上腎機能が低下している状態が続く全ての病気を指します。
現在日本では成人の8人に1人、80歳代になると2人に1人が罹患していると言われています。
慢性腎臓病は自覚症状がないまま数か月~数十年と長い年月をかけて腎機能が悪化していき、残 念ながら慢性的に低下した腎機能の回復は難しいのです。
しかし、腎機能低下を防いだり遅らせたりすることはできるため、慢性腎臓病と診断された人はこ れ以上悪化させないように気を付けていきましょう。

何で慢性腎臓病になってしまうの?

慢性腎臓病の原因はさまざまですが、生活習慣病と深く関わっているため、誰もが病気になる可能性があります。腎臓には血圧を調節する役割があるため、高血圧だと腎臓にも負担をかけてしまいます。
また、糖尿病の場合は悪化すると合併症で腎臓病になります。
さらに痛風や高尿酸血症の場合もプリン体を排泄するために腎臓に負担を掛けるため、腎臓病の原因になります。

腎臓病を放っておくとどうなるの?

腎臓病の初期段階ではほとんど自覚症状がないため、血液検査で初めて「腎臓の数値が悪くなっています」と診断される場合が多いです。
自覚症状がないからといって放っておくと、このような症状や合併症を起こしてしまいます。

手足のしびれ、食欲不振、吐き気、むくみ(浮腫)、貧血、高血圧、骨粗鬆症、尿量の変化、etc...

さらに腎機能が低下すると、【透析療法】となります。
透析になると週に2~3日、1回4~5時間ほど病院に通い、腎臓の代わりに機械を使い体外で血液ろ過をします。
透析はなってしまうと一生付き合っていくものになるため、なるべく透析になる前に慢性腎臓病の悪化を食い止めましょう。

腎臓が悪いと言われたらどうしたらいい?

【2.腎臓病とは】でも出てきましたが、慢性腎臓病の場合、一度悪くなった腎機能は回復が難しいため、慢性腎臓病の治療は「今の腎機能を悪化させずに維持をする」ことが目標です。
ステージに合わせて治療方針が異なるため、まずは自分がどのくらい進行しているのかを把握しましょう。

あなたのステージをチェック!

※年齢を入力してください。 ※血清クレアチニン値を入力してください。 ※年齢は半角数字で入力してください。 ※血清クレアチニン値は半角数字で入力してください。
年齢:
血清クレアチニン値: mg/dl
性別:

※誤差の少ないeGFR値を出すために、クレアチニンの値は小数点以下2桁まで入力してください。
小数点1以下だと誤差が大きくなります。
※この診断の対象年齢は18歳以上です。18歳未満の方は正確な測定ができません。

診断結果

eGFR推算値
GFR区分

(出典:日本腎臓学会 CKD診療ガイドライン)

ステージ分類表

さて、自分の慢性腎臓病の進行度合いを把握したら、さっそく体に合わせた治療を始めましょう。
治療の三本柱は【食事】、【薬】、【生活習慣の改善】です。
医者、看護婦、薬剤師、管理栄養士とそしてあなたとチームを組んで全員で治療していきましょう!

「食事」塩分やたんぱく質などを控えた、腎臓に負担を掛けない食事を心がける。「薬」処方されている薬はしっかり服用し、腎臓に負担を掛けないようにする。「生活習慣病」禁煙や節酒、運動不足の改善により腎機能悪化を防ぐことが出来ます。