皆様からよくいただくご質問について、Q&A形式でお答えいたします!
※個人差がありますので、かかりつけの医師、管理栄養士に確認してください。
- 何を食べたら治るの?
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腎臓は一度機能を失ってしまうと、回復させることが難しくなります。
そのため、【病状の進行を遅らせ、食い止める】ということが食事療法において非常に重要です。腎臓に負担をかけないよう、食事の面から気を付けることが何より重要となるのです。
詳しくは「腎臓病食の基本について」をご覧ください。
- 腎臓病では、なぜたんぱく質を制限する必要があるの?
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たんぱく質が体内で分解されると、老廃物が生成されます。
この老廃物をろ過する役割を持つ器官こそが腎臓なのですが、腎臓病になるとこの機能が失われ、身体の中に老廃物が溜まっていってしまいます。
そのため、たんぱく質を制限する必要があるのです。
詳しくは「腎臓病とは?」をご覧ください。
- 腎臓病向けの食事ってどんなものなの?
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腎臓病の食事療法は【減塩・低たんぱく・高カロリー食】が基本となります。たんぱく質が制限される分、カロリーが不足しがちになるので、脂質や糖質を上手に利用してカロリーアップを図ることが必要になります。
その他にも、カリウムやリンの制限が必要となる場合もありますが、1人1人制限内容や程度は異なりますので、まずは主治医や担当の栄養士に相談してみてくださいね。
詳しくは「腎臓病食の基本について」をご覧ください。
- 糖尿病からの腎臓病。食事制限の内容が全く違うのだけど…
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糖尿病は【カロリー制限】、腎臓病は【低たんぱく・高カロリー】の食事が基本となるため、はじめは戸惑われる方も多いかと思います。
大切なのは今の自分自身に必要な食事制限の内容を知ることです。
まずは主治医のお医者様や栄養士さんに相談して、「何をどれだけ摂ってよいのか」をしっかりと把握することから始めましょう。
また、「体に合わせた制限を知ろう」で
自分の体に合った制限の値も計算できるので、是非使ってみて下さいね。
- おやつにはどんなものを食べたらいいの?
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間食でもなるべくたんぱく質を含まないものを選びましょう。
甘いものでカロリーを摂ることは重要ですが、和菓子や洋菓子は小麦粉や卵を使うので、知らず知らずの内にたんぱく質を摂っていることがあります。
食品よりもコーヒーや紅茶に砂糖を加えればカロリーを確保しつつ、極力たんぱく質を抑えることが出来ます。
また、体脂肪がつきやすいMCTオイル(中鎖脂肪酸)を食事にプラスしたりエネルギーに利用されやすい粉飴(水飴を粉末状にしたもの)が使われたお菓子を利用するなど、低たんぱく・高カロリーの食品を選びましょう。
MCTオイルや粉飴については、
「腎臓病の方、必見!便利グッズ」も併せてご覧ください。
- ごはんにもたんぱく質は含まれるの?
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たんぱく質と聞くと、肉や魚・卵といった食材を思い浮かべる方が多いかと思いますが、主食となるごはんにもたんぱく質は含まれており、その量はお茶碗1杯(約180g)に4.5g程度です。
ちなみに食パン1枚(8枚切り)は4.7g程度です。
なお、たんぱく制限が厳しい方向けに、たんぱく質を抑えたごはんやパンも市販されています。ご自身のご制限に合わせて活用できるとよいですね。
- 減塩のコツを教えて!
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料理の際、すべてのおかずの味を薄味にするのではなく、濃い目のものと薄味のものを作り、メリハリをつけるのがおすすめです。
他にも、濃い目にとった出汁を味付けに用いたり、仕上げに酢やレモン・香辛料を効かせることで、少ない塩分でも美味しく食べることが出来ます。お試しあれ!
- カリウムはどんなものに含まれるの?
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カリウムは野菜や果物に多く含まれるということをご存知の方は多いかと思います。
中でも芋類や豆類、果物の場合はバナナやキウイフルーツ、スイカやメロンに特に多く含まれています。
ちなみに野菜や果物だけでなく、肉・魚・卵・大豆製品などのタンパク源となるものにも多く含まれていますので、たんぱく質の制限はカリウムの制限にも繋がります。
- 野菜は茹でこぼせってよく言うけど、どれくらい茹でればいいの?
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茹でれば茹でるだけカリウムが減る…というわけではないため、その野菜が食べ頃になるくらい茹でればOK。
茹であがったらしっかりと水気を切るようにしましょう。
また、茹でる以外に水にさらしてもカリウムを減らすことができますので、必要に応じて使い分けてみてくださいね。
- リンを減らすにはどうしたらいいの?
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リンはたんぱく源となる肉・魚・卵・乳製品などに多く含まれています。
また、加工食品にもリンが多く含まれているのですが、通常の食品に含まれるリンとは異なり、吸収されやすい性質があるので要注意です。
- 運動をした方がいいの?
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現在では適度な運動を取り入れる事で腎機能の低下を防ぐことがわかってきました。
しかし、腎臓病と共に心疾患や生活習慣病等が合併している場合は注意が必要です。合併症の有無や症状によって運動が禁忌となる場合もあるので、どの程度の運動が可能か事前に主治医と相談してから取り入れることが重要です。
- どうにかボリュームのある食事にする方法はないの?
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お食事のカサを増やすために【春雨】がおすすめです。
春雨はでんぷん質で出来ているためほとんどたんぱく質が含まれません。
サラダにしたり揚げて付け合せにしたりして上手に普段の食事に取り入れたいですね。
- たんぱく制限だからお肉は食べちゃいけないんでしょ?
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メインとなる肉や魚は脂身の多い部位を使用することで100g当たりに含まれるたんぱく質量を減らすことが出来るので使用する量を増やすことが出来ます。
例えば、鶏肉を1回の食事でたんぱく質を8g以下に抑えたい場合は脂身の多い鶏ムネ肉(皮付き)だと【約50g】で淡泊なささみ肉だと【約35g】使うことが出来ます。
このように使用する部位によっておかずに使える重量も変わるので食材を選ぶ時の参考にしてみてください。